PCゲーム最大級のプラットフォームSteamを運営しているValueは、好きな場所に持ち運んでPCゲームを遊ぶことが出来る携帯ゲーム機「Steam Deck」を発表しました。ログインするとSteamライブラリが表示され、いつでもゲームの中断と再会が出来ます。まさに、PCゲームができるNintendo Switchですね。
スペックは?
スペックは、
- プロセッサ:Zen2/RDNA2ベースのカスタムAPU
- CPU: Zen 2 4c/8t、2.4~3.5GHz(最大448 GFlops FP32)
- GPU: 8 RDNA 2 CU, 1.0~1.6GHz(最大1.6 TFlops FP32)
- メモリー: 16 GB LPDDR5 RAM
- ストレージ:64GB eMMC, 256GB NVMe SSD, 512GB NVMe SSD (micro SDによって拡張可能)
- ディスプレイ:1280×800 60Hz 7インチ タッチディスプレイ
- バッテリー:通常のゲームプレイなら数時間、ゲームストリーミングなら約7〜8時間
- 大きさ:
- 298mm x 117mm x 49mm
- 約669グラム
- OS:SteamOS 3.0(他OSのインストール可能)
このようになっています。GPUの性能だけ見ると、PS4に迫る性能となっています。
現在、アメリカ、カナダ、EU、イギリスで予約が始まっています。日本での発売についてはまだアナウンスされていません。
Steam Deckの良いところ
Steam Deckには良いところがたくさんあります。
1つ目に、「PCゲームを持ち運ぶことが出来る」です。これはSteam Deckのコンセプトとしては当たり前ですが、Switchのようにどこにでも持ち運ぶことが出来きます。いつもは自室のパソコンモニターでプレイしていて、気分によって違う部屋に持って行って手元でプレイ出来るし、リビングの大きなテレビに映して遊ぶことも簡単にできます。
2つ目に、「ゲームの一時停止が出来る」です。今までPCゲームはセーブしないと、ゲームを中断することはできませんでした。Steam DeckはNintendo Switchのようにセーブなしでプレイしているゲームを無期限で止めることができます。途中で止めて、あとで再開できるのです。これを当たり前のことだと思っている人も多いが、PCゲームでは簡単に解決できる問題ではなかったとValveは言っています。
3つ目に、「入れようと思えば、Windowsを入れることが出来る」です。Steam Deckは、標準でArch LinuxをベースとしたSteam OSを搭載しています。OSがSteamそのものなので買ってログインしたら、すぐにSteamで買ったゲームを遊ぶことが出来ます。しかし、他のゲームプラットフォーム、例えばEpic games store、Originなどは使用できません。そこで、初期化をしてしまえば、Windowsをインストールして、他のプラットフォームで買ったゲームを遊ぶことが出来ます。
これらはとても魅力的だと思います。しかし私からすると、Steam Deckをわざわざ買わなくてもいいのでは?と思ってしまいます。
AAAゲームを手持ちのゲーム機でやるのか?
Valueは、「高性能AMD APUにより、超大作ゲームも遊ぶことが出来ます!」とアピールしていますが、実際にSteam Deckでそんなゲームをする人はいるのでしょうか? 超大作ゲームといえば、とても画質が良く、ストーリーが濃密で、様々な事が豪華なゲームのことです。そんなゲームを携帯ハードでディスプレイがフルHDにも満たない、音質の悪いスピーカーのハードでやるひとはいないと思います。しかも最近は1つのゲームだけで、200GBを超えてくるようなゲームもあります。Steam Deckは内臓NVMeは最大でも512GBなので、200GBのゲームを2つインストールするだけで容量いっぱいになってしまいます。microSDで拡張できますけど、速度は遅いし… 「Steam Deckでインディーゲームをやるから問題ない!」という人もいるとは思いますが、最近のインディーゲームはほとんどNintendo Switchでもリリースされています。Switchで良いのでは?
いくら何でも重たすぎないか?
Steam Deckには、重たすぎる問題があると思われます。重量は約669gとなっています。ちなみにNintendo SwitchはJoy-Conを取り付けた状態で約398gです。ネットではSwitchでも重たいという人がいるというのに、669gは重過ぎる気がします。私もSwitchをよく携帯モードで遊びますが、最初は良くてもだんだんと重く感じてきて、持てるのは長くても1時間が限界です。
買うのは… うーん
ValueはSteam Deckでどんなゲームでもできることを売りにしていますが、結局性能はXbox One以上PS4以下です。携帯ハードとしては性能はいいですが、すでに次世代機のPS5やXbox Series X, Sが登場しています。ちなみにPS5は10.3TFlopsです。Steam DeckのGPUは1.6TFlopsなのでぼろ負けです。これからのゲームは次世代機が基準となるので、Steam Deckは置いて行かれる運命です。