日本において8月に入ってから、ディスクドライブが搭載されてない「PS5 デジタル・エディション 」の型番が”CFI-1015B”から”CFI-1100B”へ変更された新型が流通し始めました。その新型を分解してみると、ヒートシンクのサイズが小さくなって、銅の量が減っていることが判明しました。
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新型は300gほど軽量になっていた
英語圏で人気のあるYouTuberのAustin Evans氏は、わざわざ日本から新型PS5 デジタル・エディションを取り寄せて分解し比較した、「The New PS5 is Worse」というタイトルの動画を公開しました(https://www.youtube.com/watch?v=taKKVBVoKhg)。その動画で、ヒートシンクの大きさが小さくなっていたことが判明しました。
Austin Evans氏はPCやゲームハード、スマートフォンなどガジェット系の動画をYouTube上で公開しており、登録者数は500万人をこえる人気となっています。
Austin Evans氏のチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCXGgrKt94gR6lmN4aN3mYTg
Austin Evans氏は、旧型PS5(CFI-1015B)を所持しています。日本から新型PS5(CFI-1100B)を取り寄せ開封しました。もちろん内容物は変わっていませんでした。氏は事前に、新型PS5は旧型PS5より重量が300gまたは0.66ポンド減量されていると知っていましたが、実際に持ってみても違いを理解することはできない様子でした。
新型と旧型の見た目は瓜二つで外観の変更はなされていないことがわかりました。そこで事前情報の「300gの減量」が正しいのか真偽を調べるため重量を計測することにしました。すると、旧型PS5は3828gなのに対して、新型PS5は3541gという結果になりました。その差は287gです。事前情報の300gの減量とはいかなかったものの、それに近しい減量に成功していることがわかりました。
旧型は金属製のネジだったが、新型はプラスチック製のネジに
ほかに変わっている部分として、PS5は縦置きと横置きに対応していて、縦置きの場合はPS5本体と台座をネジで固定します。そのネジが金属製からプラスチック製に変更されました。これは劣化のように思われますが、金属製はコインで止める必要がありました。しかしプラスチック製のほうは手で簡単に止めることが出来るので、単純に劣化ではなく進化の面もあるようです。
冷却ファンの騒音は変わらないが、新型は本体温度と消費電力が上昇
次にAustin Evans氏は、PS5にプリインストールされている「ASTRO’s PLAYROOM」を起動して、新型と旧型の冷却ファンの騒音(dB)と本体温度(℃)を計測しました。
冷却ファンの騒音は、騒音計で背面にある排気口からの音を計ってみると、旧型PS5が43.5dBで新型PS5が42.1dBとなっていて、大きな差はありませんでした。
スマホに接続して使うことが出来るサーモグラフィーカメラで背面から撮影して本体温度を計測してみると、旧型PS5は52℃なのに対して新型PS5は最高58℃まで上昇しました。(一応新型PS5を擁護すると、新型は何回か本体温度を計測されたのに、旧型は一度しか計測されてないので、旧型PS5も温度が上昇していた可能性はあります。)
ちなみに、分解時に冷却ファンが新型PS5と旧型PS5でファンの羽根の枚数が異なっていましたが、今までも個体によってファンの羽根の枚数が違いました。
PS5の冷却ファンには3種類あって、
①羽根が23枚で、羽根の長さが長いもの
②羽根が17枚で、羽根の長さが短いもの
③羽根が23枚で、羽根の長さが長いもの
この3つが存在しているとされています。静穏性としてはC≧A>Bの順位だと考えられています。しかし、③の冷却ファンはソニー公式のPS5分解動画で登場したPS5でしか確認されていないため、プロトタイプのみに採用されたものと考えられています。
新型PS5は消費電力も上昇
Austin Evans氏の新型と旧型の消費電力を比較すると、旧型は225Wで新型は230Wと少しながら上昇しています。たった5Wかもしれませんが、十分温度が上昇する要因になり得ます。
Wi-Fiモジュールも旧型から変更に
Wi-FiやBluetooth通信の機能を司るWi-Fiモジュールが変更されていることがわかりました。しかし、この変更でWi-Fiの速度が上昇や、Bluetoothの接続が良くなったなどという報告はまだ確認されていません。
新型PS5のヒートシンクは小さくなっているし、銅の使用量も減ってる
分解してみると新型PS5は旧型PS5よりもヒートシンクの大きさが小さくなっていることが判明しました。また、ヒートシンクに大切な素材の銅の使用量が減っていることがわかりました。これらは排熱効率の観点から、とても重要な変更だと思います。ヒートシンクの大きさが小さくなると、空気と面する面積が小さくなるので排熱効率が悪くなります。銅は熱伝導率の高い物質と認識されています。その銅の使用量が少ないと熱がうまく逃げていきません。分解する前に計測された新型PS5でのゲーム中の温度上昇はこれが一番の要因とされています。
長期的に見たら、熱問題が出てくる可能性
小さくなったヒートシンクは現在は問題が無くても、今後熱問題が出てくる可能性があります。PS5を使っていると、自然と内部にほこりが溜まってしまいます。すると、ヒートシンクのフィンの間にほこりが詰まってしまって排熱効率が悪くなってしまいます。新型PS5は旧型よりもヒートシンクに余裕がないため、熱が逃げにくいと思います。ソニーも馬鹿じゃないと思うので、これで大丈夫なんだと思いますがね…
これから購入者のレビューがたくさん出てくると思うので、楽しみです。